お日さまみたいな温かい君に包まれて
てっきり母親が作ったのかと思ってたら、まさかまさかの父親!


東馬とは前にもおかず交換はしたことがあって、その時は母親が作ったと言っていた。

前食べた唐揚げも美味かったけど、今日の唐揚げも引けを取らないぐらい美味い。



「両親がこんなに料理上手で、そして今もラブラブで平和で……めっちゃ幸せ者じゃねーか」

「そうか? 景斗んちも平和じゃん」

「俺んちは平和というより、騒がしいって感じだぞ。特にお母さん」



先週、片づけ中に部屋に入ってきて、ご飯の準備中にも関わらず、人のベッドでアルバムを見始めたお母さん。

本当……呑気というか、自由というか。


背丈と体型は両親似だけど、性格はお母さん似と言われることが多い。

どうやら俺は、母方の遺伝子を強く受け継いでいるっぽい。


お父さんはそこまでうるさくはないんだけど、お酒を飲んだ時だけ、ちょっと饒舌(じょうぜつ)になるかな。



「雪塚さんちの卵焼き美味しいね~」

「ありがとう」



回想している間に、俺よりも一足先に、東馬が雪塚さんとおかず交換をしていた。

くそぉ! 先越された!



「清水くんもどうぞ」

「ありがとう、いただきます」
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