お日さまみたいな温かい君に包まれて
「そうなんだ。俺のお母さんも一緒。うるさいよね」

「おいおい、景斗んちのお母さん、そこまでうるさくないだろ」

「いやいや、何言ってんだ。あれは来客用の人格で、本当はもっと騒がしいんだぞ」



東馬は何度も家に遊びに来ているので、お母さんだけじゃなく、お父さんとも顔を合わせている。


しかし、東馬はうちのお母さんの真の姿を知らない。

本当はめっちゃ騒がしくて、とても自由人で図々しい。

俺がテストで90点台を取った時、わざわざケーキを買ってきて盛大に祝ったくらい。


そう、とてもおめでたい人なのだ!



「来客用って……。よくお母さんのこといじってるけどさ、本当は大好きなんだろ?」

「ん……まぁ」



毎回祝われるの、恥ずかしいからやめてほしいんだけど、めっちゃ美味いケーキを買ってくるから、なかなか言えないんだよな……。

でも、「よく頑張ったね、お疲れ様」って労ってくれるから、本当はちょっと嬉しい。



「東馬のお母さんもちょっと似てるよな。あのお上品な見た目とは違って熱血だし」

「あー、確かにそうかも」



東馬のお母さんは、うちのお母さんほど騒がしくはないものの、灼熱の太陽ばりに熱い性格の持ち主。

家ではのほほんとしている反面、仕事の時は別人レベルで表情が変わるらしい。


それぞれ性格は違うけど、やっぱりどこの家も、お母さんはパワフルなんだなぁ。
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