お日さまみたいな温かい君に包まれて
「なーに今更恥ずかしがってるの。実玖はともかく、多分お父さんも気づいてるわよ」

「ええっ⁉」



嘘だろ⁉ お父さんまで⁉

っていうか、今までお母さん達と恋愛話なんてしたことがないのに!

そんなに顔に出てたのか⁉ 恥っっず!



十数分後、生地が完成。

しかし、これから晩ご飯を作るとのことで、ここで一旦作業は中止。

母いわく、冷蔵庫で休ませたほうがサクサクするらしい。



夕食を終えた後、ようやく型抜きできる! と思ったのだけど、大量に作ってしまい、全部焼くには時間が足りなかったので、明日の朝に焼くことに。

味見もしたいし、明日は1時間早く起きよう。



◎●●



──ピピピピピピ……。



「ん~~っ」



アラームを止めて、ベッドの上で伸びをする。

今、ちょうど6時1分を過ぎたところ。


いつもは7時に起きてるから、ちょっと眠い。



雨が降ってなかったので、カーテンと窓を開けて空気を入れ換え、大きくあくびをしながら、顔を洗いに洗面所へ向かった。


冷水で目を覚まし、軽く歯を磨いてリビングへ。

すると、キッチンのほうから、ふわっと甘い匂いが漂ってきた。
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