お日さまみたいな温かい君に包まれて
野菜を炒める横で、フライパンに溶き卵を入れた母。

慣れた手つきで卵をほぐしていく。


今日はスクランブルエッグか。美味そ~。



「景斗、塩コショウ取って」

「へいへい」



コンロのスイッチを切って、母に調味料を手渡し、野菜を大皿に入れた。

まったく、人使いが荒いこと。


内心ブツブツと文句を垂れながら、クッキーを端に寄せ、テーブルに皿と箸を並べて、炒めた野菜を皿に盛りつけていく。



わ、もう7時だ。早っ。
……お母さんはこれを毎朝やってんのか。




「ほほぉ、家事ねぇ」

「うん。全然してこなかったから、夏休みに入ったら掃除しようかなって」



昼食を済ませ、作ったクッキーを東馬と一緒に平らげる。

作りすぎたため、ラッピング用の可愛い袋ではなく、ドデカいプラスチックの容器に入れて持ってきた。


今朝見た大量のクッキー達。
あれは多分、100枚以上はあった。

あとで聞いたら、朝の4時台から焼き始めたんだって。

クッキーのためにわざわざ……。


ありがたいけど、仕事を増やしてしまい、ちょっと申し訳なくなった。

なので、この夏は家事を積極的にやっていこうと決めたのだ。
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