お日さまみたいな温かい君に包まれて
今まで部活やらバイトやらで、自由奔放に過ごしてきたからな。


高い身長を活かして、棚や冷蔵庫、エアコンの上や、窓ガラスの上部を掃除する予定。


夏休みもバイトはするけど、進路はほぼ決まっているし、受験勉強もしなくていいから専念できると思う。



「あ、雪塚さん! クッキーどうぞ!」

「ありがとう〜!」



教室に戻ってきた彼女を呼んで、3人でクッキーを平らげる。


作ったのはプレーン味とココア味。

胃もたれしにくいように、砂糖の量を減らして、甘さは控えめにしている。



「いただきまーす!」



ハート型のクッキーを一口かじり、目を細める雪塚さん。

口に出さなくても顔に感想が書いてあって、嬉しさのあまり笑みがこぼれた。



「美味しい! すごくサクサクしてる! もう何枚でもいけちゃう!」

「ありがとう。たくさん食べて」



満面の笑みでクッキーを平らげる彼女にお礼を言い、くるりと背を向ける。


……ヤバい。
嬉しすぎて、幸せすぎて、ニヤニヤが止まんねぇ。


わかってる。

昨日の卵焼きと同様、その言葉はクッキーとお母さんに向けられた言葉で、自分が褒められたわけではない。

わかってるけど、それでも嬉しいんだよ……!
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