お日さまみたいな温かい君に包まれて
「いっくよ~、そーれっ」
東馬のかけ声でボールが宙を舞い、雪塚さんの元へ。
只今、スパイク練習を終えて、3人でパスの練習をしているところ。
「清水くん、はいっ」
「オーライオーライ、はいよっ!」
雪塚さんから回ってきたボールを打ち返す。
気まずさもなくなり、和やかな空気が漂っている。
笑顔が戻って良かった。
今度からは周りをよく確認してから練習しよう……。
「景斗!」
「おぅ! はいっ、雪塚さん!」
ボールをぐるぐる回し、雪塚さんに回す。
しかし……。
「わわわっ……うわっ!」
トスで返そうとした雪塚さん。しかし、受け止めるタイミングが合わず、宙を舞ったボールは勢い良く彼女の額を直撃した。
「いっ……た……」
「ご……ごめん!」
再び顔から血の気がサーッと引いていくのを感じ、急いで彼女の元へ駆け寄る。
「大丈夫⁉ おでこ……目には当たってない⁉」
「うん……」
バカ! ボール上げすぎだ! もっと優しいパス回せただろ!
好きな人を怖がらせたあげく、痛めつけてしまうなんて……っ。それこそ紳士失格だ……!