二度目まして、初恋

求める者と求められる者

　二週間と、四日。
　電話には出ない。メッセージは未読スルー。家に行っても居留守なのか何なのか、いつもいない。

「せんっぷぁい！　のんっで！　ますっかぁ～！」
「うるせぇ黙れ」

　連絡する。
　そう言ったとき、あいつは、ただ気まずそうに笑っただけだった。「うん」「はい」「分かった」何でもいいから返事をさせておくべきだったかと後悔しても、先に立たず、だ。
　避けられてる。確信して、行動を起こしても、手詰まり。日に日に増していく苛立ちと焦燥。おそらくそれが表情(かお)や態度に出ていたのだろう。

「せぇんっぷぁい！！」

　後輩に半ば無理矢理、連れてこられた居酒屋。いの一番に酔っ払ったこの馬鹿が手当たり次第に声をかけたせいで、上司先輩同期後輩含め十六人、男女比率は六対四。なかなかの大所帯だ。

「悩み！　あるっ！　なら！」
「……でけぇんだよ声がァ」
「俺がぁ～ききっますっ！」
「聞けやァ人の話をォ」

　だんっ、とジョッキをテーブルに叩きつければ、がしっ、と肩を組まれた。