ONLYYOU~赤ちゃんのパパは脳外科医、愛してはいけない人を愛してしまいました。~
私の恋人の雄平は歌舞伎町の売れないホスト。
そして、私は非正規雇用の清掃員。

伊集院先生と私は別世界に住む人間。

「ありがとう…」
仔猫ちゃんを元居た院内の裏庭に放った。
「貴方のおかげで…素敵な王子様に巡り逢えて、いい目の保養が出来たわ。本当に有難う」
ミャーとひと啼きして、仔猫ちゃんは食べかけのツナ缶を完食した。

「そろそろ…仕事に戻らないと。バイバイ」

私は仔猫ちゃんと別れ、仕事場に戻った。

私達清掃員は院内の病棟を巡り、シーツ交換や空き室となった病室の清掃、トイレ、共用部分の清掃を当番制で行っていた。

十時から十六時までひたすら院内をキレイにするのが私の仕事。

「あの院長のご子息の伊集院先生と一緒に居たけど…どういうコト?」

「あ…怪我したと言うか…処置して貰っただけです」

若くて長身のイケメンの伊集院先生がしがない清掃員の私と歩いていたら、目立つよね…

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