ONLYYOU~赤ちゃんのパパは脳外科医、愛してはいけない人を愛してしまいました。~
「此処に座らない?」
「え、あ」
近くにあったベンチに並んで腰を掛けた。
「ミーが退院したら、君が引き取る?」
「いえ…私のアパートはペット禁止で」
「だから、此処で飼ってたんだな…」
彼は長い脚を組み、スタバのコーヒーを啜る。
「飼いもしないで…餌付けして…一番残酷な可愛がり方だと思うけど」
「伊集院先生の言う通りです」
「・・・ウチで飼うコトにする…」
「え、あ…ありがとう御座います」
「余暇を利用して、俺は猫の里親探しのボランティア活動しているんだ。でも、あの猫ちゃんは片目だ。里親探すにしても…ハンディキャップのある猫の里親はなかなか見つからない」
「伊集院先生って猫お好きなんですか?」
「まぁね…でも、母が猫アレルギーで飼わせて貰えなかった…だから、あの仔猫が初めての飼い猫になるな…」
彼はフッと笑ってもう一口コーヒーを啜った。