ONLYYOU～赤ちゃんのパパは脳外科医、愛してはいけない人を愛してしまいました。～

私は名古屋で和寿さんの息子・和志(ｶｽﾞｼ)を産んだ。
その後は大阪の夜の街でホステスとして働き、和志を育てた。大阪の新地で知り合った先輩ホステスの誘いで、博多に引っ越して来た。

博多市内は大阪の街と同じで開けていた。

先輩ホステスの後藤詩織(ｺﾞﾄｳｼｵﾘ）さんは私よりも四歳年上で、和志と同じ三歳の息子・康太君を育てるシングルマザー。

「康太も和志君が来て…凄く喜んでるわ…」
康太君と和志は店のソファシートを陣取り、仲良くミニカーで遊び始める。
「素敵な店ですね」
私は初めて店に足を踏み入れた。
詩織さんは中州の街に半年前に自身の店をオープンさせた。

店が軌道に乗り、ホステスの増員の為、大阪で働く私に声を掛けてくれた。

「でも、まだまだ…規模的には小さな店よ…莉子」

詩織さんはカウンターに入り、子供たち用のオレンジジュースをグラスに注ぎながら私と話をした。

詩織さんの入れたジュースを子供たちに供した。