ONLYYOU~赤ちゃんのパパは脳外科医、愛してはいけない人を愛してしまいました。~
時間が勝負だと言われている『脳卒中』
発症初期の迅速な対応を行う体制を整える為、脳神経内科の医師と脳神経外科の医師が共に協力し合い、二十四時間体制で対応。

院内には癌センターや心臓外科センターと言った専門性を活かした医療施設を設け、治療を行い、医療体制の充実をはかっていた。
しかし、マキはコミュニケーション能力の高さには驚かされる。
一年半かかっても、安堂先生とはそりが合わない俺に比べ、もう仲良しになっていた。


莉子に会いたいが、今日は我慢しよう。

俺と安堂先生は当直室で休憩を取った。

脳神経外科と形成外科は頭蓋骨の再建で協力し合うコトがしばしばあった。
こうして、当直もこなすし、安堂先生の存在は無視できなかった。
「実は俺も猫飼っているんですよ…伊集院先生」

「!!?」

安堂先生が猫?


俺は猫に思わず食いついてしまった。

「どんな猫ですか?」

「今までなく…目が輝いてますね…伊集院先生」

「べ、別に…」
自分では気づいていないが…
俺は猫で反応すると目の色が変わるらしい。

「・・・俺の猫はアメリカショートヘアのメスで名前は…チロちゃんです。伊集院先生は?」

「俺の猫はミーとリーとコウです…三匹飼ってます…」

「一匹じゃないの??三匹??」

「ミーはメスの成猫で…リーとコウは仔猫です…どの子も雑種猫です…」

「へぇー…」

「ミーがリーとコウの母猫になってますよ…」

「伊集院先生と仕事以外のコトで話したの…初めてかも…槇村先生のおかげですね…」


< 87 / 153 >

この作品をシェア

pagetop