青い星を君に捧げる【壱】
「姫……」


あれが終わってすぐ父は直ぐに私を流水さんに渡し、去っていった。流水さんはずっと背中をさすってくれてる。


「この後何かまだあるの?」


「いえ、特には」


「……宮に戻らないで。帰りたい」


「今からですか?もう遅いですし明日でも「今すぐに帰りたい!!!」


この場所に居たくない。息がしづらい。今までどうやって生きてたのかも忘れるほどに。


雅には申し訳ないけれど百合の宮には帰らなかった。流水さんに車に乗せてもらった。


「これで妹は、あれをやらないで済む?」

「はい。あの儀式をするのは通常後継ぎのみですから」


「よかった…。あんなのあの子には耐えられないもの」


「お気をつけてお帰りください」


「うん、またね」
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