青い星を君に捧げる【壱】
メンバー達の溜まり場を抜けてある2階へと続く階段を上る。
「この2階への階段は青龍幹部しか基本登れないんだ。あとは優が報告に来るぐらい。あっ!波瑠ちゃんは特別おっけー!!」
後ろ向きで話しながら階段を上がる彼方に転ばないかヒヤヒヤする。2階には何個か扉があり、正面の1番大きな扉を風間くんが開けた。
「ここが幹部室だよ〜!」
内装は高級ホテルのような気品溢れるものだった。置いてある長いソファに寝そべっている男が1人、目に入った。
「おい、アンリ起きろ」
私たちが入ってきたことに気づかずに眠り続けるアンリという男の子。ソファから腕は投げ出され、握りしめていたスマホには今どき珍しくキーホルダーが付いていた。
「んっ、なに…湊。蹴んないでよぉ」
湊が蹴っているのが分かると、まだ覚めきらぬ頭で抵抗する。ガバッと勢いよく体をあげると、すぐに私と目が合った。
「あっれー?誰の女?彼方?」
スマホの角を口元に近づけ口角を上げる彼。
それを構うことなく黒鉄くんと風間くんが定位置なのか迷うことなくアンリくんとは別のソファに腰掛けた。
黒鉄くんはお誕生日席なんだ…。
「話したじゃん!?今日来るって転校生の本郷波瑠ちゃん!」
少し記憶を甦らせるように考えたあと、「ああ、この子がウワサの…」と思い出したように独り言を呟いた。
「でも、なんでここにいるの?」
「ソイツ西から来たんだと。だから監視だ監視、めんどくせぇ」
「そういうこと…」
ふーん、と湊の説明を聞いてオモチャを見つけた子供のように嬉しそうな顔を見せる。
「オレ、久我杏理(クガアンリ)。1年の青龍幹部。杏理って呼んで。よろしくね波瑠チャン」
「うん、よろしく」
ハグしようと言わんばかりに腕を広げる杏理に笑顔でそれだけ伝えると、つれねぇのと拗ねてまた寝始めた。
「それで?さっき言ってたケントって人は?」
「多分ケントは部屋にいる。2階には幹部の各々の部屋があるんだ、波瑠チャンこの来る時見なかった?」
さっき来る時に見た何個かあった扉は彼らの部屋のだったのか。
「波瑠ちゃ〜ん!これから別にやることも無いしゲームでもしよっ!ちょうど二人でやる新しいゲーム買ったんだよね〜」
彼方に手招きされ、こんなにテレビの前へと移動する。そこにある棚にはこれまでプレイしてきたものだろうか多くのゲームのパッケージがしまってあった。
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「この2階への階段は青龍幹部しか基本登れないんだ。あとは優が報告に来るぐらい。あっ!波瑠ちゃんは特別おっけー!!」
後ろ向きで話しながら階段を上がる彼方に転ばないかヒヤヒヤする。2階には何個か扉があり、正面の1番大きな扉を風間くんが開けた。
「ここが幹部室だよ〜!」
内装は高級ホテルのような気品溢れるものだった。置いてある長いソファに寝そべっている男が1人、目に入った。
「おい、アンリ起きろ」
私たちが入ってきたことに気づかずに眠り続けるアンリという男の子。ソファから腕は投げ出され、握りしめていたスマホには今どき珍しくキーホルダーが付いていた。
「んっ、なに…湊。蹴んないでよぉ」
湊が蹴っているのが分かると、まだ覚めきらぬ頭で抵抗する。ガバッと勢いよく体をあげると、すぐに私と目が合った。
「あっれー?誰の女?彼方?」
スマホの角を口元に近づけ口角を上げる彼。
それを構うことなく黒鉄くんと風間くんが定位置なのか迷うことなくアンリくんとは別のソファに腰掛けた。
黒鉄くんはお誕生日席なんだ…。
「話したじゃん!?今日来るって転校生の本郷波瑠ちゃん!」
少し記憶を甦らせるように考えたあと、「ああ、この子がウワサの…」と思い出したように独り言を呟いた。
「でも、なんでここにいるの?」
「ソイツ西から来たんだと。だから監視だ監視、めんどくせぇ」
「そういうこと…」
ふーん、と湊の説明を聞いてオモチャを見つけた子供のように嬉しそうな顔を見せる。
「オレ、久我杏理(クガアンリ)。1年の青龍幹部。杏理って呼んで。よろしくね波瑠チャン」
「うん、よろしく」
ハグしようと言わんばかりに腕を広げる杏理に笑顔でそれだけ伝えると、つれねぇのと拗ねてまた寝始めた。
「それで?さっき言ってたケントって人は?」
「多分ケントは部屋にいる。2階には幹部の各々の部屋があるんだ、波瑠チャンこの来る時見なかった?」
さっき来る時に見た何個かあった扉は彼らの部屋のだったのか。
「波瑠ちゃ〜ん!これから別にやることも無いしゲームでもしよっ!ちょうど二人でやる新しいゲーム買ったんだよね〜」
彼方に手招きされ、こんなにテレビの前へと移動する。そこにある棚にはこれまでプレイしてきたものだろうか多くのゲームのパッケージがしまってあった。
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