青い星を君に捧げる【壱】
《side.本郷波瑠》
残暑。それでもだいぶ過ごしやすくなってきて9月も残すところ1週間となった。
「……今日も湊はいないのか」
「みたいだよー。ていうかますます酷くなってるんだよ」
前は毎日来ていた湊が、最近は倉庫に来ることが少なくなってきていた。学校にも登校していないようだった。それでもあの男は目立つから来なくても噂だけは耳に入る。
あの仲のいい慎が声をかけても来ないのだ。一大事も一大事である。
______ガチャン
その時幹部室のドアが開いて入ってきたのは噂の渦中にいる湊だった。乱雑にドアを閉めて慎の前にあるソファに腰を下ろした。
「んだよ、用件って。俺このあと用事あるから手短に頼むわ」
ピリピリとした緊張感が走る。それでも慎は焦らずゆったりとした雰囲気をだす。
「……最近俺たちに報告なしに何をしてるんだ。良い噂を聞かないぞ」
「何をしようが勝手だろうが。一々報告するとか小学生かよ」
「……それじゃあ率直に聞くが、何に苦しんでる?話してくれないか」
慎は湊の行動には意味があると踏んでいるようだった。彼らだけにしかわからないことがあるように。
「お前も俺も変わった。立場も、考えも、守るべきものも。それだけだ」
そういうと湊は立ち上がる。幹部室を出て行こうとする彼を彼方が止めようとしたけれど、その彼方を杏里が制止した。
「杏里?!あいつを止めないと!!」
彼方の言葉に杏里は首を横に振った。
「今のあいつに何を言っても聞かねぇよ。慎の言葉も響かなかったんだ」
それから一週間後の10月。事件は起きた。
残暑。それでもだいぶ過ごしやすくなってきて9月も残すところ1週間となった。
「……今日も湊はいないのか」
「みたいだよー。ていうかますます酷くなってるんだよ」
前は毎日来ていた湊が、最近は倉庫に来ることが少なくなってきていた。学校にも登校していないようだった。それでもあの男は目立つから来なくても噂だけは耳に入る。
あの仲のいい慎が声をかけても来ないのだ。一大事も一大事である。
______ガチャン
その時幹部室のドアが開いて入ってきたのは噂の渦中にいる湊だった。乱雑にドアを閉めて慎の前にあるソファに腰を下ろした。
「んだよ、用件って。俺このあと用事あるから手短に頼むわ」
ピリピリとした緊張感が走る。それでも慎は焦らずゆったりとした雰囲気をだす。
「……最近俺たちに報告なしに何をしてるんだ。良い噂を聞かないぞ」
「何をしようが勝手だろうが。一々報告するとか小学生かよ」
「……それじゃあ率直に聞くが、何に苦しんでる?話してくれないか」
慎は湊の行動には意味があると踏んでいるようだった。彼らだけにしかわからないことがあるように。
「お前も俺も変わった。立場も、考えも、守るべきものも。それだけだ」
そういうと湊は立ち上がる。幹部室を出て行こうとする彼を彼方が止めようとしたけれど、その彼方を杏里が制止した。
「杏里?!あいつを止めないと!!」
彼方の言葉に杏里は首を横に振った。
「今のあいつに何を言っても聞かねぇよ。慎の言葉も響かなかったんだ」
それから一週間後の10月。事件は起きた。