青い星を君に捧げる【壱】
𓂃◌𓈒𓐍

「……これでもまだ……認めねぇのか、湊」

「俺は関係ない、慎…お前が決めることだ」


3人のことを遠巻きに見守っていた黒鉄慎と風間湊。2人のやりとりは体育館へと向かう雑踏に飲み込まれた。

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《みんなー集まったかなぁ〜》


体育館は先程の放送で集められた学生たちでいっぱいだった。ステージには聡太郎が見渡しながら何かを言う時期を見定めているようだった。


《明日から!1泊2日の林間学校やりマースイエーイ!!これ来ないと留年不可避だから、したくなければちゃあああんと来ること!!以上解散》

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「まさかいきなりこんなイベント入ってくるとは思わなかったよ」


「あれが理事長先生の気まぐれイベント、恐ろしいねぇꉂケラケラ」


いつもの屋上でさっきの聡太郎のビックリ発表について話していた。黒鉄くんは例のごとく寝ており、風間くんは遠く西の空を眺めていた。


「そう言えばケントくんって、まだ帰ってきてないけど留年コース確定??」


「さっきメッセージ送ってみたけど、既読だけついて返事なし。多分留年するつもりなんじゃないかなぁ」


ふーん、そっか。せっかく青龍幹部ラスト1人に会えるチャンスだと思ったのだけれど。まっ、案外どこかですれ違ってるのかもしれないけどね。
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私立翔陽高等学校、1泊2日林間学校。天気・快晴。


「うおおぉおお!!!!!!自然じゃ!!!!!!」


「もっと他に感想ないの、波瑠チャン笑」


「いいじゃんいいじゃんっ!僕らも楽しんじゃお♪」

街中から離れバスに揺られること1時間。そこらじゅう緑、ミドリ、みどりの森の中に私たちは来ていた。そして不良たちには似合わない自然に笑みをもらす。


(髪色とか奇抜だから浮いてんだよね〜特に…風間くん)


バスの中では黒鉄くんと共に爆睡していた彼はまだ眠たいのか欠伸を零す。この青龍には白髪がたった1人副総長しかおらず、尚且つ高身長。どこにいても彼は見立つ。

まえに教室で神様のようだと言ったことがある。だけど今木々に囲まれているから、なおのこと異質さを放っている。


《はぁーい、翔陽高校のみなさーん、これから班行動になるから昨日バスの中で渡した紙の人と班組んで〜》

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