青い星を君に捧げる【壱】
そういえばそんな渡されていたなぁと、適当にリュックに詰め込んだ紙を手探りする。
(本郷…本郷……あった)
たしかこの人たちは、、と記憶にある顔をキョロキョロとしていると見つけた。向こうもちょうど集まっていたようで私と目が合うと嫌な顔をした。
(それもそうだ…アイツらは倉庫で私を睨んでいたヤツら。こりゃあ大層お楽しい林間学校になりそうだな)
「おはよう、知ってると思うけど私本郷、よろしく」
同じ班になったのは、ノッポとメガネとミドリ髪。名前は、、紙に書いてあるけど面倒だからいいや。向こうはよろしくする気がないのか返事は返ってこない。
《あらかた班になったか〜んじゃ今日の夕飯はバーベキューすっから各班で準備な〜》
「手順とか物置とかは紙に書いてある通りだ」と言うと各班それぞれ動き始める。紙には推奨人振りが書いてある。
・火起こし×2
・材料準備×2
…………
(2人ずつで別れるっぽいけど私とやるのは嫌そうだなぁ)
「私1人で材料準備するから3人で火起こしよろしくね」
えっ、と驚きの声を漏らす3人だが構わず私は紙に記載されている材料置き場へと向かった。
班名が書かれたダンボール1箱。見た目ではかなりの重量がありそうだ。
(うわぁ……こりゃ、大変だぁ……)
「あっ!波瑠ちゃんも材料準備係なんだね!」
そこにはルンルンと歩いてくる彼方くんと、いかにも連れ回されてますって感じの風間くん。
「4人で同じ班だったの?」
「そうだよぉー基本的に僕らは同じなの〜ヨイショ」
重そうなダンボールを軽々と持ち上げる彼方。それを見て私も、と目の前にあった物を持った。
「風間くんと黒鉄くんが同じ係じゃないんだね」
「2人を同じにすると寝ちゃうから作業が進まないよ笑。それよりもさ、湊!波瑠ちゃんのダンボール持ってあげなよ。これかなりの重いよ」
「えっ、いいよ!大丈「湊は波瑠ちゃんのダンボール持ってあげないと今日の肉はナーシ('ω'乂)」え……彼方走っていっちゃった」
彼方に置き去りにされた私たちに残されたのは微妙な空気感。どうすれば…と思考していると腕にあった重さが無くなった。
「いつまでボケっとしてんだよ」
数歩先で私を振り返って見ている風間くん。まさか本当に持ってくれるなんて思っていなかった。