青い星を君に捧げる【壱】
それなのに何故か足を運んでしまう。どうせ来ない…分かりきってるのに。
「女はなあ!!身分とかプライドが高いのじゃなくて、ちょっと普通の女の方が良いんだよ!!」
そういう杏理のとんでも理論を彼方は信じられないと言うように目を向けた。ていうかこのメンバーで女の話をするのが間違いだ。悪い方に突っ走るに決まってる。
「僕はね、優しい女の子好きだよ!!」
「「おい(ねえ)、湊は!?」」
「俺は女が嫌いなんだよ。好みもクソもあるか」
「ええーん、湊が怖いよぉ。慎は〜っていないのか」
「いや、あっちに逃げてんぞ!おーーい!!しーん!何してんだ〜??」
杏理が呼ぶ方には怪しげに木に寄りかかる慎がいた。さっきスマホを見てどこかに消えたが何かあったのだろうか。普段慎は俺らの前でも電話をでたりする。
だけど
今回俺たちに隠れて連絡を取っている。……知らないうちにゆっくりと俺たちの中のナニカが動き始めてる。
杏理に呼ばれた慎はそのままコッチに帰ってきた。その時見えたのは、アレは…
「ケント……??」
いるはずがないヤツの姿。瞬きをした次の瞬間にはその影は残っていなかった。見間違いか……それとも……。
______________それぞれの夜が更けてゆく。