青い星を君に捧げる【壱】
____翌日。


昨日の騒ぎで疲れたのか、流石の不良たちも今日はいつもより静かだ。私もあの後お風呂に入ってすぐに眠ってしまった。


せっかく暗いところに来たのだからベランダから星でも眺めようかと思っていたのだけれど、それも叶わなかった。


「おはよっ!みんな眠そうだね笑」


ダルそうにかたまっている彼方たちを見つけ
思わず笑いがこぼれる。


「うわぁ〜ん、波瑠ちゃん聞いてよォ〜。昨日夜に僕寝たいのに杏理が全然寝かせてくれなかったんだよぉお」


「お、おい、それ聞き間違えたら凄いことになるからやめねくれ…」


「あはははー苦笑」


朝から元気だなぁと2人の揉めている様子を見つつ、後ろでこれまた不機嫌なオーラが漂う青龍ツートップ。


「……はよ…」

「!!おはようっ」


んだよ、と私の驚きように眉間に皺を寄せる黒鉄くん。それと視界の中で私がウロチョロしてるのが不快なのかますますオーラが重くなる風間くん。


学校に帰るために乗り込んだバス。それなりに時間がかかるためスマホを取り出し音楽でも聴きながら寝ようかな〜とか考えていると、高田屋せんせーがバスに備え付けてあるマイクを片手に出てきた。


《お前ら昨日は楽しめたか?この青春の思い出一つ一つが大切な時間だからな。ムダにすんじゃねぇぞ。
って!そんな話をしたいんじゃなくて…蘇芳理事長から提案でこれから学校にただ帰るのもつまらないからって、帰り道にある遊園地に向かいます》


「うおっ!マジ!」「理事長やるぅーふぅ〜」「遊園地とか久々だな」


聡太郎からの思わぬご褒美に私たちのテンションは一気に駆け上がる。前に座っていた杏理や彼方はコッチに身を乗り出して喜んでいた。


……普段東を治める暴走族青龍。そんな彼らの子供らしいところが、何だか愛おしく感じた。

そうだコイツら、毎日喧嘩ばっかしてるようなヤツらだけどこういう世界に足を入れてなきゃこうして高校生としての楽しみを味わってたんだ。


……そしてわたしも。


「なあなあ何乗る波瑠チャン!楽しみだな!」


「行く時に、観覧車とか見えてたからその遊園地だよねー!ちょっと調べてみよっ!慎、一緒にジェットコースター乗ろうね!」


「湊も!遊園地行ったら女いっぱいいるだろうけどよ、楽しもうぜ!このメンバーで遊園地なんて滅多にねえからなっ!」


「ふふふっ、2人とも興奮しすぎだよ。黒鉄くんと風間くんの顔みてよ笑」

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