青い星を君に捧げる【壱】
林間学校からしばらく経ち、梅雨の時期に差し掛かっていた。


「こうも毎日雨降られると気分もあがんないよなー」


「前回外でバイクいじったのっていつだっけ〜」


最近の私は2階の幹部室から離れて、1階にいる青龍メンバーと交流を深めていた。……梅雨のジメジメで幹部室の雰囲気が重くて逃げたわけじゃない、、決して。


青龍メンバーはみんな明るくて、仲良くて。私の青龍での立場はない。姫でもなく、ましてやメンバーでもない。

そんな私にみんなは優しく接してくれた。その中には林間学校で仲良くなったノッポ・メガネ・ミドリ髪もいた。彼らに便乗してか知らないけれど、私は『姐御』と呼ばれた。


1週間ぐらい前に優と話している時にたまたま仲良くなったのは今いる彼ら。壱哉(イチヤ)と望(ノゾム)通称_ノンちゃん。


「今日もバイクいじってるの?」


「あたぼうよ!俺らにとっちゃアこれが至福だ!!」


ノンちゃんと壱哉はバイク大好きっ子で、気にしてから分かったことだけどいつもバイクをいじってる。天気がいい日は外でやっているけれど、最近のこの天気じゃねぇ……


「あ"あ"あぢぃ…アイスもうねぇのか?」


「この前壱哉が食べたので最後だよ、コンビニ行く?」


「ジャン負けがコンビニ行こうぜ。雨降ってる中行くのなんて1人で十分だろ?なっ、波瑠!かけるだろ?」


「うん、ジャン負けでコンビニね」


………結局私がジャンケンに負けて、仲良く3人で行くことになったのだった。


______________そのころ幹部室


毎年この時期になるとこの部屋の空気は悪くなる。彼方は「髪がぁ」とかまとまらない髪にイラついて、慎は無言でいることがますます多くなる。

1番まともなやつが、というか年中たいして代わり映えないのが杏理。……俺もやっぱりこの梅雨に毎年鬱陶しさを抑えらない。


「……それで、下のやつらが接触あったのがなんだっけ、ええーっと「狂乱」ああ!そうそうそれ、さんきゅ湊」


東を治めている暴走族は青龍だが、その他にも暴走族は存在する。その1つが最近やけに活発に活動しており、特に青龍との接触がやけに多かった。


「狂乱とは近々抗争がありそうだよね。あっちがやる気みたいだし」


「狂乱のこともそうだが、あの女……いつまでココにいさせる気だ。もう監視しなくても平気だろ、慎」

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