青い星を君に捧げる【壱】
おーい匡?、とこれまた懐かしい声が聞こえた。


『電話中だ、ちょっと待て』


「いいよ、待ってるんでしょ?アイツらが」


今も脳裏に蘇る。彼らとの日々。忘れられるはずなんかないんだ、楽しい思い出も……悲しい記憶も。


「風邪ひくんじゃないよって言っといて」


『そんなの言えるわけないだろ、アイツらがまたお前を探し始めちまう』


「そっか、じゃあ匡が、無茶しないようにね。ごめんね」


私は未だに白虎の総長の座にいるのに、今はその場にいない。遠い場所にいる。全て匡に丸投げして。


『白虎にいて無茶すんなって守る方が無茶だけど……まあ片隅に置いとく』


「じゃあね、ありがとう」


名残惜しく匡との通話を切った。写真フォルダを開くとたくさんの皆との写真があった。


「クスクス、ああ懐かしいなあ」


戻りたいとは決して言えない。そんな権利私には無い。


スクロールして写真を遡っていく。その度にその一瞬が蘇る。


そしてある所で私の指は止まった。そこには私と男が幸せそうに肩を寄せてピースしている姿が。


「アレ…月が綺麗だからかな、涙が…」


拭っても拭っても溢れ出す涙。スマホにも雫がポタリと落ちる。




______________佑真、ごめんね

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