青い星を君に捧げる【壱】
満天の星空の元私はすっかり眠りこけ、彼方に起こされて自分で車まで行った……らしい。不覚にも全くこの辺の記憶はない。幸せな夢に抱かれ、ふわふわしてたからかも。


意識がはっきりとしたのは車から降りて着いたのは、風間くん曰くタイショー((ゴホンッ あのハンバーグが美味しかったお店『ミモザ』。


この前来た時には1階のカフェスペースを利用したが、実はお得意様用の地下1階と言うものがあるらしく今日はそこで宴会をするようだ。


「わあ……凄い豪華な料理ですね!」


「おお!お嬢さん…いや姫さんに昇格したんだっけか?」


会場の広さと料理に驚いているとご店主がさらに料理を持ってきた。この前は1人で切り盛りしていたようだが、今は流石にスタッフが他にもいるようで皆せっせと運んでいる。


「おーい波瑠、こっちこっち」


上座で彼方が手を振って私を呼んだ。そこにはもう既に4人が集まって飲み食いを始めていた。


「えーっと私が上座座るのは良くないと思うんだけど……」


「……いいんだよ、別に。お前はそこにいろ」


恐らくお酒であろうものを片手に慎はそう言った。杏理もウンウンと大きく頷き、その姿に甘えて私も空いている彼方の隣に座った。


「んじゃ、乾杯!!」

風間くんの合図と共にぶつかり合うグラス。みんなが飲んでるのはお酒だけど、私のは多分ジュース。……お酒でもいいんだけどなぁ。


それからはもう手の付けようがないほどに飲み騒いでた。特に幹部連中(慎除く)。気づいた時には時すでに遅し。彼らは出来上がってた。

下っぱの子にダル絡みしだした時は可哀想だから引っ張って席まで連れてきた。


前も、白虎にいた時もそうだった。この損な役回りを私は楽しんで……。


「ハルぅぅ~~楽しんでる?てか酒呑んでないじゃんん」

「彼方、それ以上近づかないで。お酒臭い」


絡んでくる彼方を遠ざけて、私はジュースと美味しい食べ物をひたすら食べて過ごした。


夜中2時を回った頃には私以外起きている人は居なくてみんな雑魚寝状態。まさかの慎までテーブルに体を預けて静かに寝ている。


「もう……帰るよみんな」

とりあえず幹部たちを揺すって目を覚まさせよう。これは今日は私も倉庫にお泊まりコースかな……。


お互いに肩を貸し合いながら不良たちは青龍の倉庫に帰っていく。


「ご店主…こんな夜中まで申し訳ないです」


「いやぁーいいんだよ、それよりアイツら倉庫まで頼んだよ」


「はい…しっかり見張っときます」

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