青い星を君に捧げる【壱】
部屋に戻ってベッドに身を沈め、再び目を覚ましたのは8時過ぎのこと。

頭がくそいてぇ。


ベッドのサイドテーブルに確か前に飲んだ薬がそのままだったはず……と手探りで探し出し服用量も見ないまま口に放り込んだ。


何か連絡が来ていないか確認しようとスマホを、と思い気づいた。


「幹部室に置いたまま…」


仕方なく重い体を引きずり部屋を出た。やっぱり昨日は羽目を外しすぎた。二日酔いがあるなんて何時ぶりだろうか。


「あ!!湊おはよう!見てよこれ、ぜーんぶ波瑠が作ってくれたんだよ」


幹部室のテーブルにはサラダやサンドウィッチ、スープなど食事が。あの女、料理とか出来たのか。


____ガチャ

「下の子たちも喜んでくれて嬉しいなぁ〜って風間くん、おはよう!良かったら食べて?スープ温め直すから」


歌でも歌い出すんじゃないか、ぐらいの浮かれ様でキッチンへと戻る本郷。


「何日か前から無くなってた生徒手帳が倉庫で見つかったから嬉しいんだって。あれ、無くすと再発行の申請が面倒だからあの喜びは分かるよ、僕も」


「……なるほどな」



「はる~ごめんだけど、それ終わったら慎のこと起こしてきてくれない?多分起こさないと午後まで寝てる」


「りょうかーい!」


テーブルに人数分のスープを置いて慎を起こしに部屋から出ていった本郷。


「……へーうまい」
「ちょー美味!」


アイツが作った料理を食べてる内に、ふとあることを思い出す。


「あの女…遅いな」


「たしかに。ちょっと僕みt「ぎゃあああああ」ッ!!波瑠!?」


俺たち3人は顔を見合わせすぐに慎の部屋の方へ。


____ドンドンドン

「おい慎!波瑠チャン入るよ!」


ドアを叩き返事も待たずに突入するとそこには…。


「は!離して慎!!」


ベッドに引きずり込まれたのか、本郷は慎に強く抱きしめられている。


「離してあげてよ、しーん」


「おいおい…寝てんのにこんな怪力ゴリラ発揮してんじゃねぇよ」


さすがに女が可哀想に思ってしまい引き剥がそうとするが相当な力なのか腕が解けない。


「慎!!」

本郷が慎の名前を呼んだその時。慎の瞼がピクリと動き、薄く目が開かれた。

そしてゆっくりとした手つきで腕に閉じ込めた本郷の後頭部に手を回したかと思えば、


「____んッ……チュッ…あめぇ」


キスした。
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