青い星を君に捧げる【壱】
その後無事に1時間目が終了し、高田屋せんせーが授業は終わる。


「風間も佐久間もこれ以上留年したくなかったらちゃんと授業に出るんだぞ。黒鉄もだ」


「「ういー」」


2人とも案外素直でクスッと笑う。その様子を見てか風間くんがチッと舌打ちをする。それにしても黒鉄くんは留年してないとは……。


「では、本郷さん。僕はもう行きますが、何か分からないことがあれば佐久間にでも聞いてください。あいつ本郷さんに懐いてるようなので」


高田屋せんせーの視線の先にいる佐久間くんは今か今かと私の所に来たいようでウズウズしていた。


「彼はどうしてあんなに私に……」


「青龍を知らない、ちやほやしない女の子が珍しいんだと思います。佐久間は良いとして、他2人。特に風間は注意です。ヤツは女嫌いですので」


風間くんと黒鉄くんの席は私と反対側。つまり窓側の1番後ろの席で隣合り同士になっており、1番窓側にいる風間くんは窓の外から見える海を眺めていた。


「なになに〜、慎をみてるの?それとも湊?どっちどっち??」


いつの間にか近くにいた佐久間くん。風間くんと黒鉄くん……どっちをみてる……か。


「風間くんの白い髪色、綺麗だよね。光に反射して輝いて……神様みたい」


「たしかに、白があんなに似合う人そうそう居ないよね。だけどね、太陽の光よりも月の光に当たってる時の方が綺麗なんだよ」


______________ガタンッ

そのとき、さっきまで寝ていたのかは分からないが目を瞑っていて動かなかった黒鉄くんが立ち上がった。


「上……行くけど、どうする」


「俺も行く」


風間くんも立ち上がり一緒に教室から出ていってしまった。……もう授業は出ないのかな。


「アイツら青龍の中でも取り分け仲がいいんだよねぇー。男同士で何をそんなにって感じだけど」


んじゃ俺も行こーっとと言って座っている私の腕を掴んだ。


…………腕を……掴んだ????


「へっ……??」


「一緒に行こうよ!!」


な、何を……どうしたらソウナノ!!???


「ちょ、ちょ、まってストォオオップ!!『おはしも』だよ!佐久間くん!」


「それは地震の時のやつだよ、波瑠ちゃん」


「さっき風間くんは女嫌いって言ってたばっかじゃん。それに今日会ったばっかりの人とそんな仲良くするなんて……」


「だってさ、面白そうだもん波瑠ちゃん。傍にいたら毎日ドキドキワクワクスリルたっぷりな生活送れそう(*`艸´)ニシシ」

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