青い星を君に捧げる【壱】
「おい、もう行くぞ慎。こいつらはこれ以上情報は言わねぇよ」

風間くんと杏里が私の前から消えて慎の肩を掴んで歩き出す。私も行こうと踵を返すと、グイッと右腕を引っ張られる。

「またな、ハル」

私の耳元で青龍に聞こえないように呟く。白虎に全然顔を出せていなかったけど、やっぱりこいつらは変わってないな。

掴まれていたのは一瞬で、次にはもう三人は立ち上がって背を向けていた。


「波瑠!平気!?ごめん僕が隣にいたのに」

「大丈夫。強い力で引っ張られたわけじゃないから赤くもなってないし」


白虎と青龍。東西事変からこれほど交わったことはないだろう。それほどかつてのお互い思いが薄れてきたと言うこと。

忘れてはいけない過去のこと。
歴史は繰り返すというけれど決して私たちの代で繰り返させてはいけない。


そう誓った夏の日。
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