青い星を君に捧げる【壱】
あれから数週間後。キーホルダーが完成したと連絡が来て昨日受け取った。

「明日歌!」

今日は明日歌にそれを渡すために会う約束をして、海に今は来ている。ビーチとかじゃないから人もいなくて波のさざめきが聞こえるばかり。


「じゃあこれは私から」

明日歌は俺から受け取った茶色の包装紙から取り出してボルト型のキーホルダーを手渡してくれた。

「へぇ綺麗だな」

小さな白い花の入ったボトル部分を海にかざし光を通す。そしてメッセージ部分を見ると『May a miracle happen to you up to my minute』と刻んである。

「えっと…ごめん俺英語ムリなんだけど」


「んふふ、意味は教えないよ。スマホで調べるのも反則だからね!」


「そんなんじゃ一生わかんないんですけど」


とりあえずキーホルダーを横に置いて、紙袋から明日歌に渡すものを取り出す。そして包装紙からそっと出し明日歌の手の上に乗せた。


「ありがとう。『ti amo』って…」

俺は明日歌が膝に置いていた左手に自身の右手を重ねる。俺を見つめる明日歌に微笑む。

「俺、初めて人を好きになった。…明日歌、好きです。俺と付き合ってくれませんか」


らしくなく、なんだか恥ずかしくなって最後は敬語になってしまう。多分今過去1かっこ悪い。

「っ、私も杏里くんのこと好きです!ふつつか者ですがよろしくお願いします!」


どうしようもないくらい嬉しくて重ねていた明日歌の手を握る。

「ほんっと可愛い彼女ができちゃったなぁ」


握った手をぐいっと俺の方に引く。不意に引かれ勢いに負けた明日歌が俺の腕の中に収まる。胸元にある後頭部を押さえてサラサラの髪を梳く。

「私今すごく幸せです」


「俺だって」
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