青い星を君に捧げる【壱】

「そうと決まれば他の青龍幹部にも波瑠ちゃんをお披露目しなきゃね!」


「ちょっ、ちょっと待ってよ。学校は…」


そう言うと3人は呆れたように私の顔を見る。


「なっ、なによ」


「この学校さ、不良ばっかなんだよね。だから考査でいい成績修めておけば留年なんかしないよ」


「お前そんなことも知らないでこの学校来たのか」


「……それと高田屋の授業と……理事長が気まぐれに開く行事にも参加することだ」


はぁああああ!!????あんの2人真面目に学校運営してると思ってたのにチャランポランタンじゃん。

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(そのころ理事長室では)

「ヘックショイッ」

「聡太郎さん、汚いです。風邪ですか」


「いやあー昨日上裸で寝たからかな…」

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屋上を後にした私たちは校舎を出て広い敷地内を歩いていた。そして着いたのは高校には不似合いな大型バイクが綺麗に並んでいる駐車場。

「ここまでくるともう圧巻だね。全部その不良生徒の?」


「そうだよ!みーんなバイク登校するからこの辺に住んでる人は迷惑だろうね(笑)」


そんなことを話していると3人はバイクを押してくる。

佐久間くんって可愛い系男子だからイメージ湧かないけど随分ごついの乗ってるんだぁ、そして2人はイメージ通りの立派なバイクだ。しかも有名なメーカーの高級なもの。


「おい彼方!アンリとケントはサボりか?」


「そうみたいだよ〜」

アンリと、ケント。また違う青龍の人が出てくるのか。名前覚えられるかな。


「さてと……湊と僕、どっちに波瑠ちゃん乗せる?」


「あ"?!!そんなもん彼方の方に決まってんだろ」


「あっそ、んじゃ波瑠ちゃ「波瑠……俺のに乗れ」えっ…慎!?」


風間くんには拒絶され、佐久間くんの方に乗ろうと傍に寄ると黒鉄くんが意外にも乗せると言い出した。絶対女なんて乗せなそうなのに。


「彼方は…かわいい見た目してるが、走りはここにいる誰よりも荒い。……振り落とされるぞ」


「えっと…それはつまりですけれども黒鉄くんもしかして私の心配してくれてるの?」

少し前を歩いていた黒鉄くんに駆け寄り微笑みながらそう話しかけた。他人の心配なんてしなそうなのに会ったばかりの私なんかの心配してくれたのかな、とか考えると胸が暖かくなった。

「おい勘違いしてんじゃねぇぞ。慎が乗せるのは仕方なくだ。調子乗んなよ」

「なぁに湊、波留ちゃん取られて嫉妬してんの?ああそれとも慎?」

「か~な~たああぁぁぁ!!???てめえも調子乗ってんのかあ”あ”ん”??!!」

一瞬にして風間くんの眉が吊り上がる。それと同時に佐久間くんのほっぺが思いきり伸ばされぐりぐりされる。

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