青い星を君に捧げる【壱】
「一昨日お前、油断していたとは言え杏里のことを投げ飛ばしただろ。しかも怒っていたとはいえ人格違いすぎだろ」


うーん、痛いとこ突かれたな。正直指摘されるとは思わなかった。この調子だときっと慎も疑問に思ってるはず。


歩みを止めて湊の方に振り返った。湊も私を見ていたようで視線が交わる。


「波瑠、お前何モンだ」


「私はダレなんだろうね〜笑笑」


緊張感が漂っていた場面とは思えないような間抜けな回答をする。はぁ?、とこれには湊も呆れたような声を出す。


「まぁ強いていうならさ、普通の女子高生。かな!」


さあ逃げよ逃げよ、とクルリと言い終わったと同時に倉庫へ再び歩き出したのだった。
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