不思議な図書館の魔法~僕らは物書き~
「……ややこしい……」

「仕方ないよ……静弥くん、今何歳なの?」

女の子の言葉に、僕は「18歳」と返す。2人は「……同級生!?」と驚いた顔を見せた。

「え……?」

「俺と優花も18歳なんだ」

「……そう言えば、自己紹介がまだだったね。私は、坂口 優花(さかぐち ゆうか)。玲くんの幼なじみで、玲くんと静弥くんと同じ物書きなんだ!よろしく」

そう言って、優花は笑った。

「……さて、静弥には物書きとかの話をしないと……」

玲は、僕を見つめる。僕は、近くの机に僕がさっきまで読んでた本を置いた。

「まず、俺が戦ったあの怪物は『幻影』と呼ばれている。皆から忘れ去られた本が幻影を生み出して、人々を襲うんだ。気が付いたら、周りが暗くなってたでしょ?あれは、幻影が近くにいる証拠なんだ……幻影はこの世界にそっくりな空間を作り出して、その空間に人を閉じ込めるんだ……幻影を浄化することで、元の空間に戻ることが出来る」

そう言って、玲は片手に持ってた本に目を移した。

「本の書き出しを言った時、服の上からローブを着るでしょ?その状態で幻影を浄化して、幻影を生み出した本を回収するのが物書きの仕事……一度、幻影を生み出した本は何回も幻影を生み出す可能性があるからね。本を回収したら、この図書館で保管するんだ」
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