白+紅=蒼
大切なもの
結局ホームルームの時間になっても美乃と紅は教室には来なかった。
一時間目の授業を聞き流しながら目の前の空席を見て左手に握るシャーペンを強く握る。
ボキッ
「あぁ!?」
力を入れすぎてお気にいりだったシャーペンが折れてしまったのだ。
そして折れた拍子に先が尖った部分で手が切れてしまったようでポタポタと血が流れ落ちる。
「!?里中!どうしたんだ!」
私の声に先生が驚いてさらに手から流れる血液に目を見開く。
「先生ー、俺保健委員なんで白を保健室に連れていきまーす」
すかさず廉が手をあげて言う。
「え?しかし別に歩けないような…」
「わー!痛い痛いー!!痛くて歩けませーん!!」
咄嗟にわざとらしく叫んだ。
「……だそうだ。東堂、悪いが連れていってやれ」
「はーい」
廉と頷いて教室を出た。
保健室で手当てしてもらうと二人で教室には戻らず屋上に向かう。
屋上の階段上に上がれば、紅と紅の膝の上で眠っている美乃がいた。
「よぉ」
紅の声に反応して美乃が起きる。
「美乃。私たちがいるからね」
弱々しく見つめてくる美乃に力強く言う。
一時間目の授業を聞き流しながら目の前の空席を見て左手に握るシャーペンを強く握る。
ボキッ
「あぁ!?」
力を入れすぎてお気にいりだったシャーペンが折れてしまったのだ。
そして折れた拍子に先が尖った部分で手が切れてしまったようでポタポタと血が流れ落ちる。
「!?里中!どうしたんだ!」
私の声に先生が驚いてさらに手から流れる血液に目を見開く。
「先生ー、俺保健委員なんで白を保健室に連れていきまーす」
すかさず廉が手をあげて言う。
「え?しかし別に歩けないような…」
「わー!痛い痛いー!!痛くて歩けませーん!!」
咄嗟にわざとらしく叫んだ。
「……だそうだ。東堂、悪いが連れていってやれ」
「はーい」
廉と頷いて教室を出た。
保健室で手当てしてもらうと二人で教室には戻らず屋上に向かう。
屋上の階段上に上がれば、紅と紅の膝の上で眠っている美乃がいた。
「よぉ」
紅の声に反応して美乃が起きる。
「美乃。私たちがいるからね」
弱々しく見つめてくる美乃に力強く言う。