白+紅=蒼
「おい!証拠1つ見つけたぞ!」






そう言って走ってきたのは紅だった。





門番の顧問から日曜日の防犯カメラを見せてもらえたようだ。






それを携帯で撮ったようで見せてくれた映像には私服姿の男子生徒が一人確かに日曜日に校内に入って行く映像。






「美乃、告白してきたのはこの人?」





「…うーーん…映像が少し遠いから断言は出来ないけど、あの人に似てる」






「お、紅の方が早かったな。こっちも証拠掴めたぜ」






戻ってきた廉のその手にはノートが一冊握られていた。






「遅いぞ廉」





「これでも頑張ったんだぜ?職員室からこのノートパクってくるのにどれだけ大変だったか」と廉





ヒラヒラと見せつけるノートの名前部分には安河内和博と名前が書かれていた。





「よくやったぞ!廉!!」と私は褒め称えそのノートを見る。





「…どう?」





ノートと写真で撮った黒板の文字を照らし合わせると似ていた。





「……確定だな。」と廉





犯人が分かった途端怒りがあふれでる。





「美乃、お前は保健室にでもいくか?それとも帰る?」





時刻はまだ2時間目が終わる前。





「…今日はもう帰る。」





「じゃぁ美乃私が見送る。紅と廉は先に教室に戻ってて」





そう言って美乃と手を繋いで昇降口へと向かう。





美乃の家族が迎えに来て帰った後も私は一歩も動かなかった。





いや、動けなかった。





美乃をこんな目に合わせた人間に対する怒りがとてつもなく沸き上がっていたから。





2時間目の授業が終わった事を知らせる鐘が鳴る。





「白。」





紅と廉が呼びに来た。





「俺たちちょっと挨拶してくるけど、お前はどうする?」と紅





「私も行く」





静かな私の声に廉がポンと頭を撫でてきた。





「落ち着けよ?」





そんな廉に微かに笑って答え私達は2年6組を目指す。
< 51 / 65 >

この作品をシェア

pagetop