白+紅=蒼
放課後




紅は嫌な顔をしながら迎えに来た三年の女子四人に連れていかれる。




私と美乃と廉は苦笑いしながら手を振ることしか出来なかった。




「美乃~。私たちも今日どっかよってかない?」




そう言うと美乃が申し訳なさそうな顔をした。




「ごめん。あたし今日は図書委員の話し合いがある日だから」




「あ、そっか。今日第二木曜日だっけ…分かったー!委員会頑張ってね!また明日ー!あ、廉も部活頑張ってね!」




少し残念だったが笑顔で二人に手を振った。




既に教室内には掃除当番の人だけが残っており後はみんな部活に行くか帰るかしていた。




とぼとぼと帰るために廊下に出る。




1年生の教室は3階でその下の2階には2年生の教室がある。



1階にはクツ箱。




階段を降りてくつ箱で靴を履き替えた。



静かな1階とは違いくつ箱を出たら外の運動場からはサッカー部のだろう声騒がしい声がしている。




ぼーーと運動場を眺めてからまた歩き出す。




私も何か部活をすればよかったなと思ったが直ぐに笑う。




中学生の時部活に入って大変な目にあったからもう懲り懲りだったことを思い出したのだ。




数歩歩いたところで突然上から声がした。




「あ!危ない!!!」




その切羽詰まった声に思わず立ち止まって上を見上げればボフッと頭上から何かが降ってきた。




「わっ!!」




突然のことに受け身がとれず尻餅をつく。



「な、何…?」




驚いたまま自分に被さっている物を見てみるとそれは各クラスの窓に付けられているカーテンだった。




「な、何でカーテンが?」




状況が理解できずにいると直ぐに足音が近付いてきた。




「ごめんね!!驚いたでしょ!!?大丈夫?怪我はない?」




そう声をかけられて振り返りその人と目があった。











ドクン










どうしてだろう。一瞬心臓の鼓動を感じたような気がした。








その人はとにかくイケメンだった。




明るい茶色の髪は痛みなんて知らないようにサラサラと揺れていて。




大きな瞳は切れ長く高くて小さな鼻にプックリとした小さな唇。




どうしてモデルになっていないのかが不思議なくらいに格好いい人だった。
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