悪役令嬢リーゼロッテ・ベルヘウムは死亡しました
フローレンスは、一度言葉を区切ってから視線を私に向けて、再度レイアを見つめて声を出した。
「条件は、そこのリーゼロッテ・ベルヘウム。彼女をここに置いていくこと」
「なんですって」
レイアが低い声を出す。
「リーゼロッテ一人渡してくれれば、卵はあなたの元に返ってくるのよ。安いと思うけれど」「フローラ、どうしたんだ?」
突如交換条件を付けたフローレンスに、ヴァイオレンツも訝し気な声を出す。
「だって、ヴァイオレンツ様。彼女はずっとわたしに意地悪を、ううん。わたしがあなたと仲良くするのが気に食わなくてわたしに怪我をさせようとしたり、脅迫をしたりしてきたじゃないですか。しかも、ヴァイオレンツ様に婚約破棄されたことを恨んで毒まで飲んで死んだふりをしてわたしに復讐する機会をうかがっていたんです」
フローレンスが瞳をうるうるさせながらしゃべる。
いや、わたし一度もあなたに復讐とか、嫌がらせとかしてないからね。しようとも思っていないからね。
「わたし、アレックス先生から信頼されてて、今回も学術調査について行きましたけれど……こ、こんなひどいことをするだなんて思ってもいなくって……」
え、わたしルーンのみせてくれた魔法映像見ましたけれど、結構積極的に動いていましたよ。何言っちゃってんの。
「わたし、怖かった。アレックス先生もリーゼロッテも」
「フローラ。私はきみを信じている」
ヴァイオレンツはフローレンスをしっかりと抱きしめた。
わたしはその茶番劇(だよね? どう見ても)を白けた目で見つめている。
屋外では怒号と魔法による光が飛び交っている。
「竜のご婦人。卵は返す。持って行くがいい。アレックス・ハルミンについては、彼は白亜の塔送りとする。これは、この国の魔法使いにとっては最大級の刑に値する。その身に持っている魔力を根こそぎ搾り取られる刑だから、だ」
ヴァイオレンツが手を挙げると、従者がアレックスを拘束しようと彼に近寄る。
「で、殿下。まさか……」
アレックスの声に初めて動揺が浮かんだ。
「そして、竜のご婦人。そこにいるリーゼロッテの身柄を引き渡してもらいたい。彼女は、私の愛するフローラを害した罪がある」
「まさか! リジー様がそんなことするわけないでしょう!」
ティティが噛みついた。
「条件は、そこのリーゼロッテ・ベルヘウム。彼女をここに置いていくこと」
「なんですって」
レイアが低い声を出す。
「リーゼロッテ一人渡してくれれば、卵はあなたの元に返ってくるのよ。安いと思うけれど」「フローラ、どうしたんだ?」
突如交換条件を付けたフローレンスに、ヴァイオレンツも訝し気な声を出す。
「だって、ヴァイオレンツ様。彼女はずっとわたしに意地悪を、ううん。わたしがあなたと仲良くするのが気に食わなくてわたしに怪我をさせようとしたり、脅迫をしたりしてきたじゃないですか。しかも、ヴァイオレンツ様に婚約破棄されたことを恨んで毒まで飲んで死んだふりをしてわたしに復讐する機会をうかがっていたんです」
フローレンスが瞳をうるうるさせながらしゃべる。
いや、わたし一度もあなたに復讐とか、嫌がらせとかしてないからね。しようとも思っていないからね。
「わたし、アレックス先生から信頼されてて、今回も学術調査について行きましたけれど……こ、こんなひどいことをするだなんて思ってもいなくって……」
え、わたしルーンのみせてくれた魔法映像見ましたけれど、結構積極的に動いていましたよ。何言っちゃってんの。
「わたし、怖かった。アレックス先生もリーゼロッテも」
「フローラ。私はきみを信じている」
ヴァイオレンツはフローレンスをしっかりと抱きしめた。
わたしはその茶番劇(だよね? どう見ても)を白けた目で見つめている。
屋外では怒号と魔法による光が飛び交っている。
「竜のご婦人。卵は返す。持って行くがいい。アレックス・ハルミンについては、彼は白亜の塔送りとする。これは、この国の魔法使いにとっては最大級の刑に値する。その身に持っている魔力を根こそぎ搾り取られる刑だから、だ」
ヴァイオレンツが手を挙げると、従者がアレックスを拘束しようと彼に近寄る。
「で、殿下。まさか……」
アレックスの声に初めて動揺が浮かんだ。
「そして、竜のご婦人。そこにいるリーゼロッテの身柄を引き渡してもらいたい。彼女は、私の愛するフローラを害した罪がある」
「まさか! リジー様がそんなことするわけないでしょう!」
ティティが噛みついた。