一目惚れした人は学園の王子様

「で、美桜。私に何か用があるの?」

「あ、う、うん。」

多分、もう、わかっている。日向は。こんなことがわからない人ではないから。

「あ、あの、昨日は、ごめん。」

「え?それだけ?昨日、全然いいよって、仲直りしたじゃない。」

「え、、、、、?」

日向が、いつもより私にとる態度が違う。
 
なんか、怖いよ。日向。どうして、なんで、私、悪かったよ。仲良くしたいのに。

なんて、なんで伝えれば、分かってくれる?

「じゃあ、私、もうお昼食べるから、ばいばい。」

「ま、待ってよ!私、悪いと思ってる。そうだよね、ごめんだけじゃ何が言いたいのか、わからないよね。」

「美桜、何言ってんの、?」

「私ね、昨日のこと、本当に後悔してる。でも、謝って、また仲良くしたい、」

「、、、、、、」

「日向は私なんかともう仲良くしたくないかもしれないけど、、、」

「私はっ私はっ」

もう、何もかもが嫌だよ。こんな、泣いて伝えても、わからないし、また日向が嫌になっちゃうじゃん。

「私は、日向と前みたいに戻りたい。一日だけで、なんなんだって思うかもしれないけど、」

「美桜、もういいから。ありがとう。全部伝わった。もう、言わなくていい。」

「ひ、日向ぁ、、、ありがとう。」

わかってくれた。やっと、やっと!

「私も、避けたりしてごめん。」

避けてたのは本当だったんだ、と少し悲しくなる。

「私、美桜のこと、大好きだけど、どうやって会えばいいのか分からなくて、、、」

「でも、きっと美桜もそうだったんだよね。なのに、勇気出してくれた。美桜は本当にすごいね。」

と、日向。

「私のためにありがとう。これからも仲良くしてくれるかな。」

日向っ!!

「日向、こちらこそ。よろしく。また、仲良くしたいです。」

私がそういうと、日向は、くしゃっと、可愛らしい笑顔を見せた。     
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