一目惚れした人は学園の王子様

「ふーん、さっきのお返しだ!」

さっきのって?私、なんかしたっけ?

私が、え?と、首を傾げていると、日向が、

「え!?もしかして美桜、何か、わかってない?」

いや、そんなわけないかと、呪文のように唱えている日向に、突っ込んだ。

「え、いやいや、わからないよ?私何かした?なんのお返し?」

その時日向が、ぴたっと止まった。何も動かない。

「?日向?平気?」

声をかけても何も動かない。私は心配して日向の顔を覗き込むと、

「ひ、日向、!?」

日向の目が白目になっていた。

「ひえっ!日向本当に大丈夫?ねぇ、なんか反応して!?」

「あ、あ、あ、あ、美桜ごめん。ってはぁ!?」

「うおぉ!なんかいきなり動き出した!」

驚いて、日向にそんなことを言うと、日向が何よ、私のこと物みたいに言わないでよと、睨まれた。

私は、え、すいませんと謝った。

「あ、日向どうしたの?」    
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