一目惚れした人は学園の王子様

あぁ、やべ。もう、私ずっと見てる。そろそろ寝ないとね。

その時、

「美桜ちゃんってば。いつまで俺の顔見てるつもり?」

へぇ!?

「な、なんでですか!?起きてたんですか。私のこと騙してたんですか!?」

え!じゃあ今までの何?私がただ奏多先輩の前で恥ずかしい行為をしてただけってこと?

なにそれ。起きてたなら言って下さいよ。

「そうだよ。本当に気付いてなかったんだ。びっくり。」

「うぅ、こっちがびっくりですよ!気づかないですよ!だって気持ちそうに寝てたし。」

もう、なんなのよ!もう、私寝ますね!と、言いかけたところで、

「待って、ごめんね。謝るから許して。」

と、上目遣いで、私のTシャツを掴んで言ってきた。

は?なにそれ。ずるいんですけど。これで許さない人って逆にいるのでしょうか。私、許しちゃっていいですよね。

「いや!私怒ってないですし、許すとかないですよ。」

「あ、怒ってなかったんだ。なんだか、すごく怒ってるようね見えちゃった!」

なんだ!と安心してる奏多先輩。

すいません。奏多先輩、安心してもらってるところ失礼します。

私、怒ってるように、見えたんですか?さらっと口に出してますけど、それって結構失礼じゃあ、ないですか?

それとも、私の勘違いでしょうか。
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