一目惚れした人は学園の王子様

「あのー、あ、お邪魔します。遅いんですけど。もう遅れますよ?」

「きゃあ!なんですか!急に入ってこないでくださいよ!何か、ノックとかして鍵開けてください!」

「ああ、すいません。あ、まだですか?もう、結構待ってるんですけど。」

さすがに、ずっとスマホゲームしてても、疲れるし飽きるよー、と、淡々と語っている奏多先輩。

いや、奏多先輩も、家で普通に楽しんでたんだ。あ、待った。

もう、遅刻だね。うん。だって、あと、二分。こりゃ、遅刻だ。

すいません!てへぺろ。

「奏多先輩、これはもう完全に遅刻ですね!すいません!明日からは、気をつけるんで許してください!」

「俺は別にいいけど、てか明日、土曜日だから、気をつけらもなにも、登校しないけどね。」

あ、そっか。

じゃあ、こうだな。考えて、話す。

「では、来週から気をつけますね!」

そう、これが、正解。言い直して、奏多先輩にドヤ顔をする。

「いや、ドヤ顔されても、もう遅刻だし。俺先行っていい?」
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