一目惚れした人は学園の王子様
そんな言葉に、不覚にも、ドキッとしてしまった。

「でも、」

「だめ。俺に、守ってもらえることなんて、ないんだよ!その、お礼って事で。」

にひひ、と悪魔のような笑みを浮かべた奏多先輩は、高校に着いても、クラスまで、と言って、手を離してくれることはなかった。

 そのせいで、朝から、女の子達の目が痛い。

「日向ぁ、助けてよぉ、」

「きっぱりと、お断りさせていただきます。」

「なんでー!友達でしょ?」

うるうるして、日向を見つめると、日向は、ため息を吐いた後、

「もう、その顔は、ずるいから。もうわかったわよ。で?何があったの?」

やっぱり、持つべきものは友達。うん。

「日向ぁ。ありがとう!あのね、実は、長くなっちゃうんだけど、」


「はぁぁ、なるほどねぇ。まぁ、美桜を独り占めしたいのは、分かるけど、安堂先輩、それは流石に、欲張りすぎだね。」

「独り占めしたいっては、思ってないと思います。でも、奏多先輩は、ドSだよ!」
                   
「まぁ、たしかにねぇ。」
< 23 / 206 >

この作品をシェア

pagetop