一目惚れした人は学園の王子様
「そんなに、あいつのこと庇うの?」
「え、、、、、?」
奏多先輩は、悲しそうな顔で、私に聞いてきた。
だから、動揺した。だって、奏多先輩の、こんな顔見たことないもん。
「もしかして、麗音先輩のこと、好きなの?」
「ち、ちがいます!!しかもいきなりなんですか!?」
「でも、好きそうだなぁ。」
「ほんとに、違うんですってばぁ!」
「そうなんだぁ、、、じゃあ、好きな人は、いるの?」
奏多先輩は、私の目をしっかり見ながら、真剣な表情で聞いてきた。
そう、まるで、その答えで、死ぬか生きるかを選ばせられるような顔で。
「はぁぁ?普通、そうゆうこと聞きます?まぁ、好きな人は、いますけど、その人は、たぶん、私のこと好きじゃないです。」
「、、、、、いたんだ、そりゃそうか。別に、美桜ちゃんの自由だもんね。」
と、奏多先輩は、悲しそうに、地面を見つめた。
「そうですよ。私も、恋する女の子です!」
「そうだよね!」
私は、先輩のそんな顔をもう見たくなかったから、自慢げに、笑ってみせた。
そしたら、作り笑いなんかするから。
「先輩がそんな顔すると、私も悲しくなっちゃいますよ。」
「そうだよね。ごめん、もうこんな顔しない!俺も元気出さなきゃな。」