僕らのお嬢

「そんなことはどうでもいい。今やらなくてはいけないことはお嬢を起こすことだ」
「でもさぁ、お嬢かなり寝起き悪いんだよねぇ・・・」

ゴンッ！！

小さくつぶやいた静夜の頭から鈍い音がした。
「誰が寝起き悪いって？」
「「「「お嬢！！」」」」

そこには、いつの間に起きたのか、寝間着の浴衣を着て眠そうな目をしたお嬢がセイヤに拳骨をくらわして立っていた。

「お前達、朝から五月蝿い。すこし静かにしろ。リョウ、私の服を出せ」
「おまえな・・・・起きるの遅いんだよ」
「うるさい。いいから、早く出せ」

この俺に命令口調で（てか、すでに命令なんだけど）偉そうに（てか、偉いんだけど）話す女は


『伊集院　澄子』通称『お嬢』


伊集院家の跡取り娘である。
そもそも、伊集院家とは・・・まぁ、説明すんのがめんどくさいから、簡単に言うけど、単純に言うとお金持ちの家だ。アバウトだけど分かるだろ？

そして、俺たち四人はこのお嬢のボディーガード兼お世話係だ。つまり、お嬢の身の回りのことほとんどを俺たちがやる。

「ほら、これだろ？」

俺は、お嬢の制服を出す。
白い生地にゴールドのラインが入り、胸元には赤いリボン、ブレザーの形をしていて、スカートは真っ黒に白いライン。
お嬢は服を受け取ると部屋にあるカーテンで間取られた着替えスペースに行く。