僕らのお嬢
お嬢とカンナの間に火花が散る(ように見える)。
ショウゴがそれを見てため息をつく。

「まったく・・・できの悪い主人を持つと困る」
「「できの悪いって言うな!!」」

見事にハモる。

「それにしてもこのままじゃやばいんじゃないか?」
「ですね・・・完璧にランクが下がります・・・」
「えー・・・それはやばいよぉ・・・・」
「ネプトゥーヌスで停滞はさすがになぁ・・・」

俺たちははお嬢を見る。

「なんだ、お前ら。まさか私がランク落ちするとでも思っているのか?」

「おぅ」
「おっしゃるとおりです」
「無論」
「もちろんだよー」

俺たちは口々に言う。

「お前らな・・・もう少し主人を敬うって気持ちはないのか・・・」
「そうは言いますが、このままじゃ本当にランク落ちは逃れられませんよ」
「あぁ、昇格も難しいと思うぜ」

ここの学園は生徒にランク付けがされている。お嬢が付けているピアスは、学校での階級を表している。右に付けるダイヤは生徒全員が共通だが、左の宝石は階級によって異なる。お嬢たちの通う学校では、この階級が上であればある程優遇され、内申書なども自然と良くなる仕組みだ。この階級は良い行いをすれば上がるが、努力が見られない場合は下げられる。自分のプライドと家の名を汚さないためにも、お嬢達は、自分の階級を上げようと必死だ。下から順に『ケレース』『ネプトゥーヌス』『アポロー』『ディアーナ』というランクになっていて、お嬢とカンナはいま、高校一年の時点で家柄が他よりも高かったため、下から二番目のランク『ネプトゥーヌス』からと優遇はされているが、昇格するにはこつこつと点数を稼いでいかなければいけないし、降格だってありえる。



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