君と私で、恋になるまで



「熱!!!!!あんたバカなの!?」

私の体温を確認した瞬間、そんな風に怒りの声をぶつけられているのに何も言葉が出てこない。




「そ、っか…これ熱のせいか。」

ぼんやり伸びた声で、先程から急激に不調を訴える自分の身体について感想を述べれば再びバカ、と言われた。酷い。


「ちょっとあんたの上司に事情説明してくるからここに居なさいよ!!?」



颯爽と去っていく頼もしい同期を見送りつつ、私はふらふらと傍にあった、オフィス街の中でひっそり佇む花壇のブロックに腰掛けた。

ぐらぐら頭が揺れて、視界も揺れて、吐き出す息の熱っぽさに漸く自覚が芽生えていく。


熱があると思った瞬間、もっとしんどくなるこの現象はなんなんだろう。



目を閉じてしまえば、視界は真っ暗になる。

何も見えない暗闇の中で、周囲の音が寂しく霞む。





ああ、なんか相当やばい気がする。

でも病院はできるだけ行きたく無いな。

家に何か食糧あったかな、
作り置きとかもあんまり今週は出来てない。



身体もだけど。

今週は、心も、しんどかったから。







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