君と私で、恋になるまで
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そもそも私は、人の恋愛に口を出す熱量は無駄だと思ってきたタチだ。
"〇〇のこと泣かせてどういうつもり!?"
中高でよくある、恋愛絡みで女友達がしゃしゃり出るみたいなやつは全く理解出来なかったし、
"てめえの恋愛は、勝手にてめえでカタつけろや"
いつもそう思っていた。
そこそこというか、相当に性格が悪い私なので、友人付き合いも最低限で済ませてきたし、充分だった。
それに反して兄の友人だとかバイト先の先輩だとか、学生の頃から年上に言い寄られることが多かった。
そういう部分で「お高くとまってる」とやっかみを無駄に引き受けることもあって、より一層「女まじで面倒くせえ」と思うことが増えて。
"そりゃあ、こそこそ影でくだらないこと言ってるあんたらに比べたら、私は精神的に大人だしモテるだろ。"
なんて本心をぶちまけたら、火に油だろうなと他人事のようにいつも考えていた。
「亜子、社会人になるんだからもうちょっと愛想良くしなよ。」
古くから理解のある友人達にそう心配されても、愛想よく振る舞って何か得があるのかと、もう今にも漏れそうな言葉を何とか抑えた。
そんな日々の中で始まった、新しい生活を左右する就活も、胸が躍る訳もなかった。