君と私で、恋になるまで
あっという間に春を迎えて4年目になって。
私の部署にも待望の後輩が入ってきた。
今まで隣の部署だとか、近しいところでの後輩との交流は勿論あったけど直属は初めてなのでそれなりに肩に力も入った。
そんな様子を、あの気怠い男は楽しそうに見て笑っていたけど。
そして対面した、梨木 花緒ちゃんはとても可愛らしい女の子で。
"枡川先輩、これからどうぞよろしくお願いします…!!"
直角に近い傾斜で勢いよくお辞儀をしてくれる彼女の真っ直ぐな態度に、緊張がほぐれたのを今も思い出す。
営業という仕事の基礎を一から教えたりだとか、営業先へ同行してもらったりだとか、日々を過ごす中で少しずつ距離を縮めていけた。
年齢差もあるし気を遣わせたく無いなあと思っていたけど、こうして時間が合えば、亜子も交えて一緒に外ランチにも行ったりする。
"ちひろさん、なんでこんな沢山外ランチの場所知ってるんですか!?おっさんっぽいところも含めて最高ですね!"
カラカラと笑ってそう言ってくれるこのキャラだからこそ、私も素直に自然に、付き合うことができているのだと思う。
後輩にも恵まれてしまったなあ、とそれは感謝している。ただ、危惧していることが1つ。
「あーーーー爆破したい。あの腹立つ顔、爆発させたいです!!!」
彼女は、とある同期と、それはもう犬猿の仲なのだ。