君と私で、恋になるまで
"ヘタレで良いじゃん。
臆病者は、どんな仕事も丁寧にやろうとするだろ“
その言葉は、
この恋にも言えるかなって思うよ。
神様、仏様、お星さま、
その他あまたのお偉い皆さま(?)
気持ちを伝えるのに、
いつもありったけの勇気を伴うし
臆病だから、
そんな簡単には進まないかもしれないけど。
《ヘタレとヘタレの恋の、その先は?》
今までと、これから。
ゆっくりでも良いから、ちゃんと丁寧に、
愛を紡いでいくことを誓います。
episode04.「君と私で、紡ぐ愛」
「な、かば。」
激しくなる口づけの合間を縫うように
呼吸と共に何とか名前を呼べば、
鼻先が直ぐに触れるくらいの距離で
一瞬、男の動きが止まる。
「大好き」
そう言って笑うと、
ぱちぱちと瞬いた瞳が柔らかく細まった。
「…煽りすぎ。」
ロートーンは変わらないくせに、
やっぱり奪うようなキスを降らせる。
この男の緩急には、
もうずっと敵わない未来が見えるけど。
「(それも悪く無いかなあ。)」
とっくに盲目的に落ちてしまっている私は、
愛しい彼の首に腕を回した。