君と私で、恋になるまで
___何故、こうなってしまったのか。
「あ、瀬尾さんは何飲まれますか?」
「あー、じゃあこれでお願いします。ありがとうございます。」
差し出されたメニューを一瞥した男はそうサラリと告げて微笑む。
それに、はい、と可愛らしく返答してスタッフを呼ぶ保城さんは完璧だ。
「……枡川さん。」
「…はい。」
「これは、どういう展開ですか…」
同じ長テーブルではあるけど、そんな2人とは向かいの席で、何人か挟んで隣同士で座る香月さんはこそりと私に耳打ちをする。
「…えっとですね…」
打ち合わせ後の流れをゆっくり思い出して、私は苦笑いをするしか無い。