極悪聖女
1 午後のお茶とお客様
「ほれ、フレヤ。お茶が入ったよ」

「ありがとうお爺さん」


信じられない事だが、私は森の奥の小さな家で、ご近所の木こりのお爺さんとお茶を呑む日々を送っている。
毎日、毎日。
朝と、昼と、夕方に。たまに就寝前も。


「今日はキイチゴのパイも焼いて来たよ。お食べなさい」

「太っちゃう」

「若いんだからそんな事は心配するな。さあ、可愛いお嬢さん」


物腰穏やかなお爺さんは、いつも優しく世話をやいてくれる。
鬱陶しいと感じる事も多いけど、私には今、お爺さんしかいない。


「頂くわ」

「ああ、お食べなさい」


キイチゴのパイをペロッと平らげて、お爺さんに愚痴をぶちまける。
それも、もう日常だ。
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