極悪聖女


「……」


ふてくされて、ついお爺さんの姿を探した。
水晶の中に知らない家が映る。

ふぅ~ん……こういうお家に住んでるのね。
ひとりで住むには部屋が多すぎる。そういえば、家族の話とか聞いた事がなかった。いつも私の話を聞いてもらってばかりで、お爺さんの事を何も知らない。

 
「……!」


名前さえ、知らない。
 
私は体を起こした。
あまりに驚きすぎて、ぽかんと宙を見つめ続けた。
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