幼なじみたち(※全員美形)に婚カツを邪魔されるので困っています
「どうして私があそこに居るってわかったの……?」

 右に詩音、左に司くん。広いはずの車内で凄まじい圧迫感を感じながらビクビクと尋ねる。

「んなの、店からのリークとかGPSとかいくらでも方法は有るだろ」

「世の中にはなっちゃんが知らない方が良いことも有るから……」

 怖い。不機嫌な詩音も怖いけど優しいはずの司くんの笑顔も怖い。

「つか、お前、ナニこんなエロい服着てんだよ」

「えええエロくないよ?! 普通のワンピースだよ?! ひゃぁ?!」

「エロいだろ。ここから普通に手ぇ突っ込めるじゃねぇか」

 言葉通りにズボリと差し込まれた大きな掌がぐにぐにとブラの上から胸を揉む。

「や、詩音っ! ここ車の中っ」

 司くんに助けを求めようと視線を左に向けて──向けたことを即座に後悔した。

「……なっちゃん。この下着、僕達が見たことのないやつだね? 自分で買ったの?」

「──へぇ? ナツは? 俺達以外と飲むのに? 新品の? 下着を? 着てったんだ?」

「しかも上下お揃いみたいだよ詩音兄さん」

「だめぇっ」

 スカートの裾から侵入した形の良い司くんの指がクロッチの上を往復する。
 詩音に乱暴に胸を掴まれて、司くんに足を広げられて、公道を走る車内で媚びたような声が出る。

 半年前。司くんの二十歳の誕生日。三人に抱かれて『女』になったあの日から私の身体は変わってしまった。

「やぁ……っ!」

「ヤじゃないだろ。イイだろ」

「『こっち』も悦んでるみたいだよ。……ほら、溢れてきた」

 左右の耳に、卑猥な囁きと吐息と舌をねじ込まれてジンっとお腹が熱くなる。布越しの刺激じゃ物足りなくて無意識に腰が揺れた。

 もっと。もっと決定的な『なにか』が欲しい。

「──詩音、司。家に着くまでは……駄目だよ?」

「わかってる」

「もちろんだよ鷹嗣兄さん」

 なんで? いつもは嫌だと言っても気絶するまで何度も絶頂に連れて行かれるのに。

「なつみちゃん。俺はね、反省してるんだよ」

「……鷹ちゃんが、反省……?」

「うん。だからね、なつみちゃんには家に着くまでに、俺達がどれだけ君を好きか思い出して貰おうと思って。……だけどごめんね? 俺、自分で運転するの久しぶりだから、道に迷って30分くらいの距離に一時間以上かかっちゃうかも。それに、大事ななつみちゃんを乗せてるんだから、安全運転で帰らなきゃね?」

 そう言って、ルームミラーの中の鷹ちゃんは王様の顔で微笑んだ。

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