(続編)ありきたりな恋の話ですが、忘れられない恋です[出産・育児編]
「…だって、甘やかされてたら、それが当たり前になっちゃうでしょ」
「望愛との時間を独占したい俺のわがままだから、当たり前でいいんだよ」
普段、重たいものを避けてまで掃除機をかけれない私の代わりに、掃除機をかけてくれたのだと冷静になれば思える。
だから、余計なことは飲み込んだ。
恋に盛り上がっている時はフィルターがかかって、良い一面しか見えなかったけど、夫婦になって一緒に生活してみるといろいろと見えてくると聞いたが、まさにだ。
私が彼に見せる新たな一面に、嫌われないだろうかと心配になる。
「なに考えて難しい顔してるんだか知らないけど、言いたいことは飲み込まないで言って。俺が死ぬまで望愛は俺の奥さんなんだからさ、たくさんケンカして、その分だけ仲直りしてさ、愛を深めて、爺さんと婆さんになっても、手を繋いでラブラブな夫婦でいよう」
あー、こういうところ、敵わないな。
私なんて、今しか見えてなくて、老後の自分達なんて想像もしていない。
「晶斗、大好き。…愛してる」
彼の腕の中で振り返って、抱きついてキスをした。
「俺も…愛してる」
クスリと笑った晶斗は、キスのお返しとばかりにちょっとだけ艶かしいキスを仕掛けてくる。