(続編)ありきたりな恋の話ですが、忘れられない恋です[出産・育児編]

旦那様が、某会社の役員をしている都合で、上のお子さんは、私立の大学までの一貫校の幼稚園に通っていると。そのお子さんのお母様方は、お嬢様出身ばかりらしい。見晴(野崎みはる)さんは、一般家庭で育った為、彼女らの会話に馴染めないが、子供同士の付き合いの為に、ママ友の輪に入っていると話てくれた。

「ママ付き合いって大変なんですね」

「そうよねー。私の親なんて共働きだったからママ付き合いなんてなかったって話だし、たまに母に愚痴ったら『生きにくい時代になったわね』って、それで終わりよ。何かある度に、ママ会だし、グループがあって影で対立してるし、ストレス溜まる」

ボフッと、近くのクッションを叩いていた。

よっぽど、ストレスが溜まっているらしい。

「愚痴ってごめんね」

「いえ、いろいろ勉強になります。私の悩みなんて些細なことなんだなぁって」

「望愛ちゃんは、初めての出産だものね。わからないことだらけで不安や悩みを感じるのは当たり前なのよ。些細なことでも敏感になってしまうんでしょ?」

「そうなんです。晶斗、うちの主人、の些細な言動にイライラしちゃって」

晶斗を他所様の前で主人呼びなんて初めてで、恥ずかしいやらで戸惑ってしまう。
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